居室には必ず、採光に有効な開口部を設置するよう、建築基準法で決められているのですが、
敷地境界と窓の水平距離が狭いような場合、採光に有効な窓として算定できない場合があります。
また、計算上はOKでも、北側の部屋などで、もっと明るさが欲しいという場合、
トップライトは大変有効な採光方法となります。
建築基準法の計算でも、トップライトは、普通の壁面に付けた同じ大きさの窓の3倍の採光効果が認められています。
トップライトは明かり取りとしても大変有効なのですが、開閉できるものにしておくと、「煙突効果」で、室内の空気が吸い上げられていきますので、大変風通しが良く快適です。夏場、室内の熱気を取りたい時にも便利です。
また、窓は2か所以上あることで空気が動きますので、壁面に1つしか窓が取れないような部屋でも、天窓を開けることにより、風通しを期待できます。
また、通常は窓を開けると近隣の視線が気になるものですが、天窓の場合は空や雲が見えるということで、プライバシーを守れるという点も魅力ですね。
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開閉に関しては、高い場所にあるトップライトを手動で開閉する場合、専用のバーを使いハンドルとクルクル回すことで開け閉めできます。
ただ、あまり高い位置のトップライトですと、上向き姿勢で長いバーを操作するのは大変なため、
「せっかく開閉できるタイプの天窓を設置したのに、閉めっぱなしになっている」ということがあるようです。
電動式であれば、リモコンのボタンひとつで気軽に開閉ができるため、その効果を最大限利用できるでしょう。
【トップライトの設置において、気を付けること】
①コーキングの劣化・ひび割れに注意
トップライトは屋根に設置するものですので、雨漏りに注意する必要があります。
もちろん、トップライトは屋根用に設計されていますので、メーカーの施工要領を守って設置されていれば製品自体の水密性はきちんと守られます。
ただ、トップライトと屋根の間を埋める「コーキング」という部材が、経年変化で劣化してひび割れたりすると、ここから雨水が侵入してきてしまうことがあるのです。
※コーキングとは、気密性や防水性のために施工される、隙間を埋める目地材のことで、シリコンやポリウレタンなどの樹脂で出来ています。通常のサッシの周囲にも充填されます。
家を建てて5年、10年の定期点検時は、コーキングのひび割れなども注意して見るようにし、必要に応じて充填し直すことによって安心して使うことができます。
②遮熱・断熱性能の高いものを選ぶ
トップライトは上から光が降り注ぎますので、普通のガラスでは、熱や紫外線をそのまま室内に取りこんでしまうことになります。
このようなことを防ぐために、トップライトには日射熱や紫外線をカットするLOW-Eガラスなどが採用されることが多いです。
また、万が一、割れた時に飛び散らないよう、合わせガラスを採用しているメーカーもありますので、工務店などに良く確かめていただき、納得のいく製品をお選びください。
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