平成21年6月4日に、「長期優良住宅法」が施行されました。
その趣旨は、世代を超えて長く住み続けていけるような性能の高い家の普及を促進するというものです。
日本では、高度成長期にどんどん住宅が建てられたのですが、建物の寿命がとても短いのが特徴で、20年~30年くらいで取り壊して建て替えするというサイクルがほとんどでした。
このやり方をすすめてきたために、産業廃棄物が増え、CO2の排出も大きな問題となっています。
そこで、環境への負荷の軽減、国民の住宅取得費の軽減、中古市場の活性化性能の観点から
良い建物を建てて、長く住むという「ストック型」への変換を目指して、この法律が施行されました。
その内容は、
面積:戸建住宅は、延床面積75㎡、共同住宅は1戸の面積55㎡以上が必要
居住環境:地区計画や景観計画・条例などへ適合させる。
省エネルギー対策:地球と家計に優しく。省エネルギー対策等級4の基準を満たす。
耐震対策:地震に強く、倒壊しにくいこと。耐震対策等級2以上を満たす。
維持管理対策:配管を中心とし、維持管理の容易な家にする。
耐久性能:木造住宅の場合、小屋裏・床下点検口の設置など。
という内容があります。
これらの内容に適合させた「長期優良住宅」に認定されると、メリットとして
住宅ローン減税の優遇措置(最大控除額600万円)があります。※優遇措置期限は2013年12月31日まで。
長期優良住宅にするには、その仕様にするための手間も費用も多くかかることになります。
ただ、優遇措置などの措置に加え、長く安全な家に住めるということは、それ自体が大きなメリットではないかと思います。
耐震・耐久性に優れ、メンテナンスが容易な家にしておくことは、家づくりにおいて大切なことです。
特に、水回りの設備や配管関係は家の他の部分に比べて劣化が早く、トラブルの起こりやすい部分ですので、点検口を設けておくことは必須かと思います。
洗面所に設けられた床下点検口。普段はこの状態↑
点検口の蓋を開けると、配管の状態が一目で分かります。ここでは、給水管、給湯管、排水管、電線などが見えます。
このような点検口があれば、定期点検やメンテナンスも楽ですし、万が一のトラブルの際にも原因がすぐにつきとめられます。
床下点検口を設けるには、基礎の立ち上がりを高くしなくてはならないので、設計内容にも大きく関わって来ます。そのため、工事途中からでは設置できないこともあります。
長期優良住宅の認定を受ける、受けないにかかわらず、
維持管理についても設計段階からよく打ち合わせをしていただけると良いですね。
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