デザイン先進国、オランダの建築やインテリア/前編

今回は、デザイン先進国オランダでインテリアデザインやバイヤーのお仕事をされている松永香織さんに、
オランダの建築やインテリア、美しい街の魅力などを紹介していただきます。

この記事を書いた人:松永香織 

 


「オランダ」というと、どんなイメージを持つでしょうか。風車やチーズ、チューリップなど、穏やかで素朴な風景を思い浮かべる方も多いかもしれません。

九州ほどの国土、人口は約1700万人ほどの小さな国ではありますが、先進的な取り組みやデザインなどで世界から注目を集める国です。

実は建築やインテリアにおいてもオランダはデザイン先進国。MVRDVやレム・コールハースをはじめ、世界的に有名な建築家を多数排出している国でもあります。

そこで今回は、オランダの建築・インテリア事情にスポットを当ててご紹介していきたいと思います。

 

歴史と挑戦が息づく街並み


「世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作った」という言葉があるように、オランダの国土は20%以上が干拓によって拓かれました。

小さな国土を発展させるため、知恵と柔軟性を発揮し発展させてきた国は常にチャレンジ精神を感じられます。

歴史のある街並みを保ち、同時に未来的なデザインを生み出しながら、それらが共存する街並みはきっとイメージするような穏やかで素朴な風景とはちょっと違った一面が見られるでしょう。

“Dutch Design”と呼ばれるオランダ独自のデザイン文化

通称”Dutch Design(ダッチデザイン)”と呼ばれるオランダのデザインは、古いものと新しいものを融合させ、モダンで洗練されたデザインにするのが得意。

絶妙な色使いや、可愛らしさだけでなく合理的な機能性を持っているものも多く、そして環境に配慮した素材や3Dプリンターなど最新の技術も含めたデザインが特徴です。
こうした”Dutch Design”は、家具や雑貨、建築、グラフィックなどあらゆるものに生かされています。

工業的なインダストリアルなものとクラシックな伝統的なものを組みあわせ、そしてクリエイティブ性や機能性も併せ持つデザインは、街の随所に「デザインとはなんであるか」というものを感じさせる魅力があります。

実際に街を歩いていても、ここにあったら便利、という場所に欲しい動線があり、街自体が年齢や性別に関係なく人に寄り添うような優しさを持ち、駅や公共施設などでも随所に歩きやすさが感じられます。

オランダの公共建築では、建築費の5%をアートの分野に利用しなければいけない法律が定められています。
市役所や病院、図書館をはじめ、刑務所や銀行などあらゆるところでも遊び心のある空間に溢れ、心が豊かになるようです。

オランダに生まれると、小さな頃から身近にアートに触れられることで自然とクリエイティブで豊かな感性を育むのでしょう。

オランダにおける「住」環境の大切さ

オランダの人々は、節約家のため外食や贅沢などに大きくお金を使うことがありません。
しかし、衣・食・住の中では「住」にもっともお金を使い、普段の暮らしから住環境に対する心地よさを整える文化が根付いています。

カーテンを閉める習慣がない家も多く、街を歩いていても家の中が丸見えなことも珍しくありません。

しかしどこのお家もまるでモデルハウスのように素敵なインテリアで整えられている部屋も多く、インテリア好きとしてはただ街を歩くだけでワクワクしてしまいます。

増え続ける人口や、旅行者の増加に伴い、市街地では住宅の需要が高騰しています。
徐々に中心部から郊外へと新しい住宅が建築されていますが、個性的なデザインはどれも目を見張るものばかり。

素材や色使いの多様さと大胆なデザインは、自由でのびのびとした暮らしを象徴するかのようです。

そして集合住宅周辺では、子どもたちが遊べるような公園や遊具が併設され、大人の目が届く場所で一緒に遊ぶことができる環境が整っています。

世界的に見ても「子どもの幸福度」が世界トップを誇り、教育や感性を育むためのシステムが環境が整備され、国全体で子どもを育てていこうという姿勢を感じ取ることができます。

首都・アムステルダムには他の歴史的都市のように、新市街・旧市街という区分がありません。

エリアごとに歴史やモダンさを感じる街並みはありますが、レンガがベースのオランダらしい街並みの中に、洗練されたモダンな建築があったり、外観は歴史を重んじながらも中へ入ると驚くほどスタイリッシュなデザインにリノベーションされているのがすごいところでもあります。

外側からはわからない、中へ入った時の広がりや光の取り込み方は見事と言えるほど巧みにデザインされています。

オランダを代表するインテリア雑誌「vtwonen」

インテリアにこだわるオランダの人々に愛されている雑誌「vtwonen」では、インテリアデコレーションの最新のトレンドやインスピレーションに溢れています。
カジュアルな色使いや、シックなコーディネート、小物を使うアイデアなど、真似できそうなポイントがたくさん。

事例を紹介するだけでなく、DIYの方法や、vtwonenが提案するオリジナルの建材などを展開し年代問わず多くの人に支持されているブランドです。

年に一度の 「vt wonen&design beurs」というアムステルダムRAIで開催される展示会では、毎年最新のプロダクトやインテリアアイデアが披露されます。
6日間に約9万人が訪れ、関係者だけでなく一般のゲストにも大人気のイベントです。

オランダの人々にとって「デザイン」は身近なもの

街並みや普段の暮らしの中に、美しさや心地よさを感じるものが常にあるのがオランダの国だと感じます。
合理性を重視する一面からも、「使いやすく、美しい」というものが多数生まれ、それでいて遊び心も詰まったデザインは日本人から見ても魅力的なものばかり。

素朴なイメージとは違う一面ですが、魅力たっぷりのオランダのデザインに注目してみてください。

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