リノベーションやDIYが面白い。オランダのユニークな住宅シーン

この記事を書いた人:松永香織 

 


個性豊かな建築が数多く見られるオランダですが、住環境も非常に自由でユニークです。
DIYやリノベーションも盛んで豊かさのある、オランダの住宅シーンについてご紹介します。

住宅の供給が追いついていない状態

現在オランダでは住宅の需要に対して空き物件が少なく、賃貸も売買も非常に高騰しているのが問題となっています。

背景には人口と観光客の増加に伴い、貸し手がより高利益な民泊の運営にシフトしているためと、競争率の高さから家賃を上げても借り手がつくためという悪循環が生まれているためです。

2014年からは45%も賃料が上昇し、現在もなおストップがかかりません。
国もそれを問題視し、1年間の民泊の上限を設定したり、金利を高く設定したりと対策を練っていますが、まだまだ追いついていない状況にあります。

そのため郊外では現在建築ラッシュが続いています。

築年数により住宅の価値が落ちてしまう日本と違い、中古住宅市場は活発で古い家ほど価値も上昇し、住みにくいながらもDIYやリノベーションをしながら国全体が街の美観を守る姿勢が随所で見受けられます。

家賃や住宅の価格が高いこと、節約志向が高いオランダの国民的な傾向がありますが、衣・食・住に対して「住」にもっとも重きを置いているため、さまざまな工夫が凝らされている住環境はユニークでとても興味深い文化も生まれています。

間口が狭く、100年や200年、場所によっては1000年近くも受け継がれている伝統的な住宅は、こんな風に歪みが出ている物件も珍しくありません。
間口が狭く、奥行きのあるのがオランダの住宅の特徴です。

ちょうど日本でいう「長屋」のようですが、この環境でも快適に暮らせるよう、工夫をしながら人々は暮らしを送ってきました。

インテリアは「楽しむ」もの

独創性を重視するオランダの人々にとって、暮らしはより「楽しむ」もの。
平均的に優れた美的センスが育まれ、アートが日常身近にあるため、インテリアや暮らしにおいても個性を楽しむのは自然な流れなのかもしれません。

カーテンのない家も多いため、街を歩きながらも自然と家の中が見えます。
どのお家もモデルハウスのようなおしゃれなインテリアばかりで、人々が家で過ごす時間、家族と暮らす時間を大切にしていることをひしひしと感じられます。

まるでショップかと思うようなテーブルデコレーション。普段からこんな素敵な暮らしをされているなんて、うっとりしてしまいますよね。

主な日本との住環境の違い

住宅に対する一般的な環境は、日本とは少し異なる部分があります。初めて暮らすと戸惑うこともありますが、面白いポイントを見てみましょう。

  1. 家具付き、家具なしの物件がある。中には仕上げがされていないことも

住宅を探す際には、「furnished(家具付き)」とUnfurnished(家具なし)」の物件があります。

ベッド、デスク、椅子やリビングのソファなどの家具や、食器や鍋などのキッチン道具、電子レンジや冷蔵庫や洗濯機、乾燥機などの家電も備え付けられているのが「家具付き」の部屋。

自分で購入したもの以外は引越しの際にも後任の入居者に引き継ぐ仕組みです。

一方で家具なしの物件は上記の家具、家電の備え付けがありません。その分家賃が低めに設定されている割合が多いです。

中でも特殊な例としては、「床の仕上げがされていない」物件があること。

この場合は入居の際に自分で床の仕上げが必要になります。
ウッドフローリングや塩ビタイル、タイルなどを自分で購入して業者へ依頼をしたり、DIYで仕上げをします。

ホームセンターにもバリエーション豊かな品揃えがあります。

 

2. DIYなどでリノベーションがOK

住まう際には、賃貸であっても大家さんに承諾を得れば軽いカスタマイズが可能です。
壁やドアをペイントしたり、照明器具を取り替える、壁面に棚をつける、などがあります。

古い家が多いため住みやすく快適に、という目的もありますが、それ以上に自分の好きな色を取り入れながらオリジナリティを大切にする文化が定着している印象を受けます。

ホームセンターやインテリアショップでは豊富なカラーのペイントや壁紙が揃えられ、誰もがDIYでデコレーションを変えるのも一般的。

DIYの品揃えに特化したホームセンターもあり、よりインテリアを楽しむ文化が定着しています。

  1.  同じ集合住宅の中でも、ほぼ全て間取りが違う

マンションやアパートでは、同じ建物の中でも広さや間取りが違います。
リノベーションや間取りを変えながら住まわれ続けてきた家も多く、外は古くても中は驚くほどモダンに仕上がっている物件も。

それぞれに個性があり、入居者が好みに応じてカスタマイズしながら受け継がれていくため、その都度柔軟に形を変えながらバトンタッチされていく様子もユニークです。

基本的には、カスタマイズした分は退去の際に元の色に戻す、というルールもありますが、次の入居者やオーナーの許可があればそのままOKな場合も。
住宅を探すのは難しくもありますが、間取りだけでなくこうしたインテリアに出会う楽しみもあります。

自分で手を加える楽しみがある

住宅そのものが古いことから、問題や住みにくさもあるぶん、おおらかな気持ちでいないといけないことは多々あります。
しかしその分自分で住みやすく工夫をしたり、好きなインテリアを取り入れやすいのは嬉しい部分でもあります。

現在住んでいる自分の家でも、引越しをした当初は寂しく殺風景な印象でした。

こちらを、DIYとヴィンテージマーケットなどで仕入れた家具などを取り入れ、少しずつDIYをし、また違った雰囲気を楽しんでいます。

インテリアや暮らしを楽しむオランダのシーンからたくさんのインスピレーションを受け、まだまだ試行錯誤しながらではありますが、優秀なペイントや建材を試してみるのがとても楽しく毎回新たな発見があります。

オランダへ来られる機会がありましたら、街を歩く際にぜひ一般の住まいにも注目してみてください。
素敵なお家ばかりが目に入り、散策がもっと楽しくなりますよ。

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