家づくりで使用する素材は、完成後の印象を決める上で大切な要素です。
間取りももちろん大切ですが、仕上げや色で同じ間取りでもまったく違う空間にもなるインテリア。
家づくりを進めていくと必ず耳にする「新建材」や「自然素材」という言葉、一体何が違うのか、よくわからない…と困ったことはありませんか?
素材選びの際に、大きく2つに分けられる、両者の素材の特徴を知っておきましょう。
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自然素材と新建材の違い、メリットとデメリット
「新建材」とは、工業的に作られた建築用の材料のことを言い、効率的に安定した品質のものを大量生産ができるメリットがあります。
フローリング、扉や階段、家具など、石目や木目をプリントし本物の素材のように再現されています。色合いや質感に統一性があり、自然素材よりも施工がしやすいものが多いため工期が短くて済みます。
年々の技術向上によって再現率が高まり、ぱっと見ただけでは本物と区別がつかないものがあるほどです。
素材の特性上、木のチップを固めたものや合板を重ね、化粧シートでの仕上げが施されているためへこみや傷は修復がしにくいデメリットがあります。
また色や柄のばらつきが少なく安定している反面、空間が単調になりやすいという面も持っています。
対して「自然素材」は、無垢材の木や漆喰など自然由来の素材を工場で建築用にふさわしい形状や水分量に調整・加工されたものです。
肌触りや質感に心地よさを感じるものが多く、年月を重ねて徐々に使い込まれた味わいを深めていきます。
しかし自然由来のため、ひとつひとつ柄や色は異なり、まったく同じものはありません。
季節や環境によって乾燥・収縮をする現象が現れます。特に木材はメンテナンスの視点からすると新建材よりも「手のかかる」素材です。
ですがプリントされた人工的なものにはない独特の風合いや温もりがあり、きちんと手入れをすればそのぶん長く使い続けることができます。
多少の傷や染みも味わいとして馴染んでいき、本物の素材でしか出せない風格は年数が経ってから実感するでしょう。
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自然素材と新建材、迷った時のポイントはこの3つ
自然素材と新建材はどちらも、どちらがいい、悪い、とは一概に言えない特徴を持っています。
どうやって選んで良いか迷った際に、特に押さえたいポイントはこの3つ。家づくりでは家だけで計画するのではなく、敷地環境やペットを含む家族構成、地域などいろいろな要素が伴って完成するものです。
素材の持ち味を生かして満足度の高い家づくりに役立てましょう。
1.予算とバランスがとれているか
取り入れるために必要なコストは、「素材本体の価格+施工にかかる費用+塗装や仕上げなどに必要な費用」で主に構成されます。
例えばフローリングで見てみると、一枚一枚貼っていく無垢材(自然素材)に比べ、パネル状の新建材フローリングは施工の期間や手間が大きく異なります。
すでに仕上げがされた新建材は貼るだけで済むのに対し、無塗装仕上げのフローリングの場合はオイル仕上げや塗装代がさらに必要な場合があります。
施工や塗装にかかる費用は見落とされがち。素材の価格のみで比較してしまうと後ほど予算が大きく変わる場合があるので、トータルでの施工金額はどのくらいになるかを依頼先に相談するのがおすすめです。
無垢材でもすでに塗装が施されているものや、ジョイントがされているもの、樹種によってはお手頃価格であるものもあります。
新建材でも、耐傷性やより本物に近い加工がされたもの、床暖房用や防音効果のあるものと機能性にこだわると、無垢材以上の価格であることもあります。
実現したい家の雰囲気と予算で、フローリングのみ、壁面のみ、など場所での使い分けをするのもひとつの方法です。
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- 目指す家はどんなテイストか
自然素材は肌触りや風合いに趣がある反面、自重があるため建てつけなどに弱い場合もあります。
面積や素材が大きければ大きいほど、反りや変形などの耐久性が課題にもなります。
たとえばモダンでスタイリッシュなインテリアにしたい場合、天井までの高さの扉で空間をすっきりと見せたい…というケースもあるかもしれません。
その場合は無垢材の自然素材より新建材のもののほうが軽く、変形がしにくい構造で作られているために得意な場合が多く、木目のないすっきりとした色を持っているのも新建材の得意な面ならではです。
自然素材の無垢材の場合は、和風やヴィンテージ、ナチュラルなデザインのもの、自分の好みの色にカスタマイズができるものもあり、木の温かさの印象をインテリアに取り入れたい場合にぴったりです。
樹種や色によっても印象的な個性を出すことができ、ドアノブやガラスなどの組み合わせるパーツでオリジナル感を高めることができます。
木目の個性、色合い、節の有無などで家具、建具、フローリングなど、インテリアのテイストは素材に大きく影響されます。それぞれに適した雰囲気があるので、叶えたい空間に適したものをセレクトしましょう。
- 環境や素材の持ち味を生かせるか場所かどうか
それぞれの素材が持っている良さを生かせるかどうかは環境にも左右されます。
たとえば床暖房を取り入れたい場合は、乾燥や温度変化に対応できるフローリング材である必要がありますが、自然素材の場合は反りや収縮の原因になるため、併用して取り入れられない場合もあります。
また調湿作用があり質感が味わい深い漆喰なども、常時湿度の高いような立地や環境では苔やカビが生えやすい原因になってしまう場合もあるため、
いくら風合いが気に入っていても向かない場合も。それらの欠点を補うために研究・開発されたのが新建材でもあります。
しかし自然素材は適した環境で上手に取り入れると、暮らしの上で発生する臭いを吸収し空気を綺麗に保ってくれたり、夏のべたべたする季節でもさらっと心地よい肌ざわりで歩いても不快さがないなどの効果が期待できます。
素材のメリット・デメリットや機能性だけで比べるのではなく、「適材適所」で素材をセレクトすると、暮らし始めた際により満足度の高い家に仕上がります。
このように自然素材と新建材はそれぞれにメリット・デメリットを持っている素材。
たくさんの情報がある中で、どれが良いのか選び方に迷ってしまうのも無理はありません。
基本のポイントを押さえて、家づくりの際に役立ててみてくださいね。
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