無垢フローリングと複合フローリングの違い

家の中でもは大きな面積を占めるため、空間の印象を決める大事な要素ですね。

住宅の床材といえば、フローリング材を使われることが多いと思います。

フローリングには、無垢(むく)フローリングと、複合フローリングがあります。

無垢フローリングは構成層が単一であるため、単層フローリングとも呼ばれます。

複合フローリングは、台板となる合板の上に、突き板(木材を薄くスライスしたもの)などを張り付けたものものです。

それぞれ、長所と短所があります。

【無垢フローリング】

・自然の木なので、調湿作用がある。

・見た目の風合いがとても良い。

・木の芳香がある。リラックス効果がある。

・木は、音をバランス良く吸収して程よい残響音を残してくれる。

・足触りが良い。湿気が多い時のベタベタ感や、踏んだ時のヒヤッとした感じがない。

・反りやきしみなどがある。

・メンテナンスに手間がかかる。

写真は、パインの無垢材

【複合フローリング】

・反りや伸縮がなく、材が安定している。

・施工が楽。

・床暖房にも対応できる。

・掃除やメンテナンスが楽。

・傷が付くと、目立つ。

・熱や水気による、表面のひび割れや剥離がある。

・調湿作用はない。

写真は、複合フローリング (表面の樹種はサクラ)

複合フローリングは、床材としての短所をできるだけ少なくし、安定的に使用できるように改良されてきたものですから、施工性が良く、管理も楽な素材です。

表面の突き板の種類も幅広く選べます。

材のばらつきもなく、さねの部分を組み合わせることで簡単に施工ができます。

熱や、長期間の湿気には弱いので、アイロンの熱などには注意しましょう。

床暖房対応のものもあります。

一方、無垢のフローリングは、見た目の質感や、肌に触れた時の感覚が良いことから人気があります。

樹種によって硬さや色などの性質は様々です。

パイン材・杉は柔らかく、傷がつきやすく、

ナラ、ウォールナット、ハードメープル、カリンなどは硬く傷がつきにくいです。

無垢フローリングの表面は、そのままですと水が浸みこんだり、汚れがつきやすいので、自然塗料で塗装するのが良いでしょう。

自然塗料といえば、ドイツのオスモやリボス、アウロなどの、植物油を原料とした無公害塗料がおすすめです。

木に浸透して、呼吸を妨げないので、木の質感や調湿作用を生かすことができます。

ウレタン塗装などをしてしまうと、せっかくの無垢材にプラスチックの塗膜を作ってしまうようなことになり、良さが失われてしまいます。

自然塗料の色は様々な種類があり、使う色を変えることによって、同じ樹種でも印象が全く違うように仕上げることが可能です。

写真は、パイン材にオスモのウッドワックスで色をつけたものです。

使っている木自体は、下の物と全く同じなのですが、色が違うと印象が全く異なりますね。

自然塗装をした無垢材は、半年から1年に1回は専用のワックスがけが必要です。ワックスをかけると、ツヤや撥水性がよみがえります。

また、熱や乾燥によって反ったり収縮する性質があるので、床暖房をしたい時は必ず床暖房用の無垢材を使うようにしましょう。

床暖房用の無垢材は、硬い樹種のものが多いです。(柔らかい樹種のものは、どうしても反りや収縮が出やすいため。)

また、同じ樹種でも床暖房用と、そうでないものは、床暖房用の無垢材の方が値段が大きくアップするようです。

無垢材の場合、季節や周りの湿度に合わせて呼吸し、収縮・膨張を繰り返していますから、

きしみなどは付き物です。

実際、冬になると、乾燥で収縮したフローリング同士の隙間が大きくなったりするのが分かります。

・ワックスがけなどのメンテナンスは面倒で、あまりやりたくない。

・床暖房を取り入れたいと考えている。

・床がきしんだり、反ったりするのはとても気になる。

という場合は、やはり面倒の少ない「複合フローリング」のほうをおすすめします。

ですが、その風合いや、湿気の多い季節でもサラッとした足触り、芳香など、有り余る魅力が無垢材にはあります。ぜひ検討してみてください。

ただし、住宅メーカーなどでは、施工性や保証の観点から、無垢材を扱ってくれない場合も多くあります。

また、無垢材は使えるとしても、自然塗料などは使用できない(無垢材にウレタン塗装したような、建材屋の既成品をすすめられる)という場合もあります。

住宅メーカーで建ててもらう場合は特にですが、

どうしても床に無垢材を使用したい場合は、必ず契約前に、無垢材は使えるか、自然塗装はできるか、実例はあるか、など細かく確認しておくことをおすすめ致します。

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