デザイン先進国、オランダの建築やインテリア/後編

この記事を書いた人:松永香織 

 


「ダッチデザイン」が息づくオランダのデザインについて、前回ご紹介させていただきました。

→前回の記事はこちら

今回は、オランダの中でも印象的な都市をご紹介します。
どの都市も個性を持ち、見応えがたっぷりある都市ばかり。オランダへお越しの際はぜひ訪れて見てくださいね。

アムステルダム

 

オランダの首都であり、歴史のある街として知られています。
多くの観光客が訪れ、年々人口も増えているアムステルダム。

17世紀の運河が張り巡らされている歴史的な街並みのエリアは、外観はそのままながら内部はリノベーションが施され、モダンなショップやホテル、住宅がとても多くあります。

 

外からは街並みにカモフラージュされて全くわからない状態ですが、入ってみるとその変貌に驚かされることばかりで、建築やデザインが好きな人であれば一目で魅了されてしまう建物がたくさんあります。

かつて玄関の間口の広さで税金が定められていたため、日本でいう「長屋」のような形式の住宅が多く並び、奥行きのある建物となっています。
そして入り口もとても狭く、ちょっと大きな荷物を抱えると通るのが難しそうな家も。

しかし中庭や天窓など、光や心地よい住環境を確保しようとする工夫がふんだんに詰まっています。

どの建物も、階段の狭さと急さはもはや名物とも言えるほど。
日本では階段の幅や勾配に関しては法律が定められていますが、こちらではいかに上手に空間内部に納めているかというのが腕の見せどころでもあると感じます。

 

そして、土地がないために「水の上に住む」というのもオランダの特徴であるかもしれません。
水に浮いている家や、運河の各地で見られる「ハウスボート」は、一見ボートのように見える住宅です。

一時期増加しすぎたために現在は新規でハウスボートの設置ができませんが、空室が出るとすぐに埋まってしまうほど人気がある物件です。アムステルダムならではのユニークな風景のひとつです。

一方、郊外や北エリアなど新たに開発がなされ、新築住宅やビルが建築ラッシュのエリアはオランダならではの長屋式の住宅でありながらモダンなデザインの建物が数多く見られます。色や素材の組み合わせ、窓の大きさやファサードのデザインはどの家も秀逸でうっとりしてしまうほです。

 

ロッテルダム

オランダ第二の都市として発展を続けているロッテルダム。他の都市と比べ、モダンで先進的な街並みや建物が特徴です。

欧州最大の港を持つロッテルダムは、物流の拠点だったことから第二次世界大戦で街の大半が破壊され、大きなダメージを受けました。
その後、計画都市として再開発の際に近代的な建築が立ち並ぶ未来の街として輝かしい復興を遂げています。

ところどころに残された旧市街の街並みと、その背にモダンな建物が重なる風景は不思議で美しく、この街を愛する思いが伝わってくるようです。

現在も次世代のエネルギーを使った建築や新しい建物が続々と計画がなされ、これからも目が離せないほどワクワクする都市となりました。

街の中心であるBlaak地区では、2015年に「Markthal(マルクトハル)」という屋内型のマーケットが誕生し、ロッテルダムの新しいアイコンとして人々を楽しませています。
かまぼこのような形状は、実は集合住宅と屋内マーケットが融合したというユニークなスタイル。
オランダの建築家集団MVRDVの作品です。

トンネルの内側には鮮やかな絵が描かれ、夜になると幻想的な姿で人々を魅了します。

周辺にはキュービックハウス、図書館など面白い建物が目白押しで、まるでテーマパークにきたかのような雰囲気を味わうことができます。

建築好きにはたまらない都市ロッテルダムは、街を歩いているだけで時間を忘れてしまうでしょう。

 

マーストリヒト

オランダの最南部にあるマーストリヒトは、オランダで一番古い都市と言われています。
街の中心に流れるマース川を挟んで広がる街は、小さいながらもエリアによって時代の変化を感じる住宅や、ときにモダンなショップが入り混じり、どこを歩いていても発見があります。

隣国のベルギーの文化も強く影響され、マーストリヒトはオランダでありながらオランダとはまたちょっと違う雰囲気も魅力。
南部独自の食文化や、ところどころフランス語が混じっているのもまた面白い一面です。

マーストリヒトで見応えがあるポイントは、「リノベーション力」 。
イギリスのガーディアン紙による「The world’s 10 best bookshops(世界で最も素晴らしい書店)」の1位に選ばれた「セレクシーズ・ドミニカネン」は、700年以上前の教会をリノベーションされた書店です。

美しいフレスコ画の残る歴史ある佇まいに、モダンな書棚がコラボレーションし、上階まで登ると天井を間近で見ることができます。

こちらの書店ほど世界で名が知られていないものの、「クルシューレンホテル マーストリヒト」も元教会だった建物がモダンなホテルへと生まれ変わっています。

石造りの教会にガラスや鉄などの素材が生き、元教会だったことが信じられないような個性的な美しさに目が離せません。歴史ある建物を、まったく別の用途として使うことができてしまうというのも、オランダの柔軟性と合理性を感じられる点です。

ショッピングの街としても発展しており、歴史ある街の中におしゃれなショッピングストリートは、ファッションやインテリア、スイーツなど、歩いているだけで魅力的なデザインがたくさん見られます。

オランダ独自の狭く、古い木造の部分はその味わいを生かすように残され、ガラスを補佐的に使いながらリノベーションされたデザイン力や発想力にはうなってしまう素晴らしさを感じられます。

最古の街並みを崩すことなく、古い街並みの味わいに甘えることなく、進化と歴史が共存するのがマーストリヒトの街並みの魅力です。

 

歴史とモダンさが融合するデザイン

穏やかで素朴なイメージのオランダを思い浮かべると、このように近代的な一面があることに驚かれる方も多いと思います。

ヨーロッパは北欧を代表するスカンジナビアンデザインや、雑貨やファッションを率いるスペイン、アンティークデザインが人気のイギリスやフランスなどの魅力的なスタイルがたくさんあります。

オランダのインテリアでは、すぐに取り入れられるアイデアも多くあり、インテリアシーンにおいてこれから目が離せない国のひとつです。

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